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JR大阪駅 改札内コンコース案内図

案内図の作成

ベストな地図表現は何か

 複雑な構造の空間でもわかりやすい案内図を提案します。地図の表現方法はその目的や機能によって様々です。リアルに描くことで利用者が実際の空間と照らし合わせやすくすることもできれば、シンプルに描くことで伝えたい情報を利用者にわかりやすく伝えることもできます。平面的な表現がよいか、立体的な表現がよいか、あるいは、アイソメトリック手法か、遠近法かなど、空間構造の特徴に応じて最適な表現方法を提案いたします。

大阪ステーションシティ 案内サイン
大阪ステーションシティ 案内サイン

わかりやすい案内図は
描く前の情報整理できまる

 ひとえに案内図といっても、どのような情報を優先して伝えるかによって描き方は異なってきます。ビルの階層内容を示したいのか、あるいは、ある場所までの移動ルートを示したいのか、街なのか、公園なのか、それぞれの役割に応じてすみ分けをしないと図は複雑になっていきわかりづらい案内図になってしまいます。案内図の作成にあたっては、伝えるべき情報と伝える必要のない情報とで優先度を整理し、適切にコントロールすることで本当に役に立つ案内図を提案いたします。

大阪ステーションシティ フロア案内図
大阪ステーションシティ フロア案内図

置かれる環境をリアルに想像して

 もちろん、施設のコンセプトを反映することも大切に考えています。子どもたちも訪れる場所であれば、ポップで遊び心ある仕掛けを盛り込んでみたり、また、モダンでラグジュアリーな空間であれば、案内が悪目立ちせずシンプルでもきちんと伝わる工夫を施します。他のサインの考え方と同じように、案内図が見られる環境を想定して、適切な文字の大きさや色、そして、案内図本体の適切な大きさや設置高さも含めてデザインしていきます。特に空港や駅、街中など公共性の高い場所では、子どもやお年寄り、外国人や車いす使用者など、あらゆる人々に使いやすい案内図であることが大切です。たとえば、弱視の方は案内図を見るために顔を案内板の数センチ手前まで近づけることがあります。そのため、案内板の前には近づくために障害となるモノを置かないようにする必要があります。

大阪ステーションシティ ビル案内図
大阪ステーションシティ ビル案内図

また、車いすを利用している方は、立っている人よりも目線高さが低くなるため、案内板の上方の内容も読みやすいように表示面の高さを設定するなどの配慮と工夫が必要です。このように案内図を提案する際は、図のビジュアル表現だけでなく、掲示の高さや土台の形状、製作コストやメンテナンス性なども考慮したトータルのデザインを考えていきます。案内図や地図を作ることは奥深い世界です。案内図や地図は誰でも自由に描くことができますが、作成した案内図が求められる仕事を果たすためには、様々な表現の可能性を探り、時には理工学の観点も活かすなどのアプローチが大切だと考えます。

中部国際空港第二ターミナル ターミナル案内図
中部国際空港第二ターミナル ターミナル案内図